肝心の高齢者ケアの現場に優秀な医師がいない
急激な高齢化に向かった日本。医療の問題はどうなる?
世論調査機関の指摘では、住民が不安に感じているのは、救急医療よりも慢性疾患の治療についてではないか、とされている。スウェーデンでは近年、病院のベッド数は相当減っている。制度上ベッドは救急医療用ベッドと手術待ち患者用ベッドに分けられている。前出のSPRIによると、今から一〇年から一五年前はスウェーデンの病床数はかなり多かったが、現在はかなり減少しているという。
これは急性期用、慢性期用ともに見られる傾向である。一九八三年には人口一〇〇〇人当たり病床数は一五だったものが、一九九三年には七にまで減っており、これは国際的に見ても、かなり低い水準だ。原因はいくつかあるが、まずエーデル改革によって、高齢者の長期療養用のベッドが病床数から除外されたこと、次に医療技術の発達によって入院日数が減ったこと、第三に母子保健センターからの支援で出産後の母親が早く退院できるようになったこと、などがあげられる。医師数や医療の機能分担の現状スウェーデンでも、医師数はかなり多い。
また、医師は大都市に集中し、過疎地では不足しているのが現状で、日本の状況に似た要素もある。専門医が多すぎるのも問題だ。保健福祉庁では、最近の傾向として老年科医が大幅に減少し、専門科として成り立たなくなるのではないか、と危惧している。SPRIの見解では、スウェーデンの医師数は四〇年前には不足していたが、現在では必要な人数を上回っている。プライマリケア(初期医療)担当医、一般医、老年科の専門医はまだ不足しているのが現状だという。学者もまた、医師数は過剰だと考えている。
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若い人が減るだけでなく、日本の人口そのものも減ると予測されている。二〇五〇年には一億人。二一〇〇年には六七三〇万人になるという予測さえある。人口は減っていくが、平均寿命は延び、二〇五〇年には男七九・四三歳、女八六・四七歳になると予測されている。
二一〇〇年には、六五歳以上の老人は一九四〇万人で、約二九パーセントが老人である。このように、日本の未来を人口の面からみると、きわめて悲観的な予測になるが、その根本的な問題点は、出生率の低下である。これは単純な問題ではない。女性の社会進出、結婚への考え方、こどもにかかる費用など、幅広く見ていかないと問題解決にはならない。保育所は十分ではないし、こどもの教育費は考えられないぐらい高い。
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